現在、渋谷のBukamura・ザ・ミュージアムで開催されているコロンビア出身アーティストフェルナンド・ボテロのボテロ展 ふくよかな魔法を行ってきました。
私がはじめてボテロ作品に出会ったのは、大学2年生の時に訪れたニューヨークのMoMa美術館。当時、1ブロック違いというMoMaの至近距離に住んでいたためMoMa会員となり、時間を見つけては足を運んでいました。
いわゆる名画を題材に、人物や物を風船のように膨らませて描くというユニークさに衝撃を受けたのを覚えています。クスっと笑えて、やわらかな感情に支配される不思議な体験でした。
さて、大人になった今、作品の背景にあるボテロ自身の人生を含めて鑑賞してしまう自分がいます。
政情不安が続くコロンビアを20歳の時に離れたボテロ。どこにいても故郷コロンビアを忘れていないという極彩色の作品。黄色、青、赤のトリコロールカラーをベースに描かれた作品を眺めていると強いメッセージを感じます。
描かれている人物を見ると、身体や顔は真ん丸に膨らんで巨大化しているのに「目」はとても小さい。ガラスのような目はどこを見ているかも定かではなく、そこから感情は読みとれない。
数年前にビアンコカララで有名な世界的な大理石の産地、イタリア・ピエトラサンタで見たボテロの彫刻作品をおまけに。立体もやはり、ふくよかですね。